橘 譲二

スバル

インプレッサWRX、あの青い四駆が背負った30年。丸目・涙目・鷹目の記憶

それは、まだ携帯がパカパカと折りたためた、20代の夏の夜のことだった。関西の山沿い──雨が上がったばかりのコンビニの駐車場で、僕は隣に滑り込んできた一台を見た。ソニック・ブルー・マイカ。低く構えた4ドアセダン、ボンネット中央のエアスクープ、...
輸入車

アバルト595、サソリのバッジが伝えてくる小さな抵抗──1963年から続く2026年の遺産

日曜の朝、近所の駐車場の片隅で、赤い小さなカブリオレがソフトトップを開けたところだった。運転席にいたのは、20代の頃にEK9シビックType Rで深夜の峠を流していた友人だ。結婚し、子どもが生まれ、ミニバンを買い、いったん車から離れたように...
新車選び・比較

スカイライン400Rの中古車選び|年式・装備・整備履歴と維持費の確認点

中古のスカイライン400Rを探すなら、僕は価格順の一覧を開く前に、年式と整備履歴で候補を分けたい。405PSのV6ツインターボに惹かれても、その性能をどう扱ってきた車なのかは外観だけでは分からないからだ。
ホンダ

フィットRSの歴代比較|GE8・GK5のMTと現行e:HEV、選び方の違い

フィットRSを探すなら、まずMTに乗りたいのか、現行e:HEVの走りと実用性を選びたいのかを分けたい。GE8には5MTと後期の6MT、GK5には6MTがあり、現在の4代目RSはMTではない。同じRSという名前でも、運転の仕組みは世代によって違う。
日産

【ノートニスモ S】5MTで遊べるコンパクトNISMOの、いまも色褪せない理由

朝、スマホに一枚の写真が届いた。送り主は、20代の頃にS14シルビアで深夜の峠を流していた仲間のひとりだ。結婚し、子どもが生まれてから、彼は車から距離を置いた。ミニバンを買い、SUVを買い、ハンドルを家族に明け渡したように見えた。──だが、...
トヨタ

マークX 中古は、なぜ値が下がらない。130系後期と、GRMNと、いまの相場

2019年12月23日。愛知県豊田市、元町工場の朝。あの日、生産ラインを静かに離れていった一台のマークXを、ニュース映像で見たのを覚えている。ガレージの匂いの中で、ベテラン整備士が、ボンネットを軽く撫でた。その手の動きが、一秒だけ止まった。...
ダイハツ

コペンが消える夏──L880KからLA400K、軽オープンが灯した24年の光

2002年初夏、街角の信号待ちでのことだった。前にぽつんと止まっていた、銀色の小さな車。屋根が、ゆっくりと、後ろに折りたたまれていく。約20秒。ドライバーは、まったく急いでいなかった。曇りはじめた朝の光が、その車内に少しずつ流れ込んでいくの...
トヨタ

レクサスIS F、5.0L V8の遺産──IS F SPORTとの違いと、中古市場のいま

富士スピードウェイの、ある秋の早朝のことだった。霧が薄く流れるパドックに、IS Fが並んでいた。何台あっただろう。数えたわけではないが、おそらく百台に近い、レクサスのFモデルが、開けたばかりのコースを前に静かに整列していた。エンジン始動の合...
トヨタ

ランドクルーザーの歴史と選び方|70・300・250・FJへ続く系譜

ランドクルーザーは、一つの形を守り続けた車というより、使われる場所に合わせて枝を伸ばしてきた車だ。70の道具としての強さ、300の旗艦としての役割、250の実用性。そして2026年には、扱いやすいサイズを目指したFJが加わった。名前だけで一括りにせず、その違いを知ると、自分の暮らしに合うランクルが見えてくる。
スズキ

アルトワークス歴代・中古車ガイド|初代CA72VからHA36S、5MTと5AGSの選び方

アルトワークスの初代は1987年のCA72V/CC72Vで、HA21Sは1994年に登場した3代目の型式だ。中古車としてHA36Sを検討するなら、5MTか5AGSかに加え、年式ごとの安全装備、整備履歴、改造の内容を確認したい。同じ「ワークス」の名前でも、世代と仕様を分けることが購入判断の出発点になる。