2025年、あの「プレリュード」が帰ってくる。MT(マニュアル)で登場するのか?
価格は?サイズは?そして、いつ発売されるのか?
この記事では、かつて心を震わせたあの走りの“続き”を、最新情報とともにお届けする。

「あのクルマが、帰ってくる――」
それは、ただのニュースじゃなかった。
眠っていた記憶が、一気にエンジンを吹かしたように甦る。
助手席で揺れるカセットの音。
薄曇りの峠道に差し込む、街灯のオレンジ。
深夜のパーキングエリアに響いた、排気音と鼓動。
アクセルを踏む理由は、いつだって“速さ”じゃなかった。
あの頃、僕らは「自分の居場所」を探してステアリングを握っていた。
そして今、2025年。
ホンダ・プレリュードが、静かに、けれど確かに新型として蘇る。
だが、マニュアルはあるのか?
クラッチを踏んで、ギアを選び、回転数で会話をする──あの「選べる走り」は、今も許されているのか?
この記事では、新型プレリュードに込められた“再始動の哲学”を、
MTの有無、価格、サイズ、発売時期──そのすべてを、
誰よりも熱く、誰よりも丁寧に掘り下げていく。
プレリュード新型はMTで出る?マニュアル仕様の真実
ホンダが目指した「操る感覚」は、変速だけじゃない
“ギアを選ぶ自由”──それは、あの頃の僕らにとって、
ステアリングを握る理由のすべてだった。
エンジン音に耳を澄まし、回転数を合わせ、右足の角度で気持ちを伝える。
クラッチとともに呼吸しながら、コーナーへ進入していく瞬間──
あれは単なる変速操作じゃなかった。
“自分の感情を走りに乗せる儀式”だった。
だが、新型プレリュードには、その象徴だったMTは、もうない。
それでもホンダは、「操るという感覚」まで手放してはいなかった。
彼らが提示した次の答え、それが──
Honda S+ Shift。
ソフトウェアとセンサーと回転制御による、
「心で選ぶギア」への挑戦だ。
「Honda S+ Shift」とは何か?心の深層に届く操作感
このS+ Shiftは、“MTの代用品”なんかじゃない。
パドルを弾いた瞬間、エンジンが応える。
音と振動がリズムとなり、意思がクルマに伝わっていく。
クラッチの重みや、ミスシフトの緊張感はもうない。
けれどその代わりに手に入れたのは、
直感と一体化した「新しい操縦感」だ。
スペック表では語れない領域。
シートに収まった瞬間から始まる“心のドライブ”。
そこにこそ、プレリュードの“新しい魂”が息づいている。
新型プレリュードの価格は?コスパと装備を検証
その価格に、あの日の情熱は宿っているか
618万円。654万円。
確かに、その数字だけを見れば、ためらう人もいるだろう。
「高い」と感じるのは、当然だ。
でも僕は思う。
この金額は、ただの価格じゃない。
それは、もう一度あの鼓動を取り戻す“パスポート”だ。
新型プレリュードは、約618万円前後での登場が予想されている。
シビックタイプRが600万円台。
そのすぐ隣を、スポーツと洗練を両立させたクーペが走ろうとしている。
この価格に、スペック表だけの正当性を求めるなら、たぶん違う。
だけど──
誰かを横に乗せて、夜の首都高を走る。
エンジン音の合間に、何かを語らず伝える。
そんな“物語のはじまり”に、この価格はきっと安すぎるくらいだ。
大人になった僕らが選びたいクーペ。
それは、速さだけじゃない。
“人を乗せられる美学”をまとった、プレリュードという選択肢だ。
サイズとスペック|先進的なクーペボディとハイブリッドの融合
スペックとは、心を預ける器のことだ
駆動方式は? 馬力は? サスペンション形式は?
そんな問いを、僕らはいつから“当たり前”のように口にするようになったんだろう。
もちろん、それらは大切だ。
けれど、スペックは答えじゃない。それは、問いかけのスタート地点なんだ。
ステアリングを切る時、あなたの中に何があるか。
アクセルを踏み込むとき、何を期待しているのか。
その感情と技術が繋がる場所──それが“本物のスペック”なんだと、プレリュードは教えてくれる。
- 駆動方式:前輪駆動(FF)──
FRが“振り回す楽しさ”なら、FFは“制する楽しさ”。
プレリュードは、意図したラインを正確に描く「賢さの走り」を教えてくれる。 - エンジン:2.0L i-VTEC+e:HEV(推定出力200〜210PS)──
高回転で叫ぶNAの鼓動と、
モーターが静かに背中を押すような加速感。
相反するものが共存して、ドライバーの感情に“幅”を与える。 - サスペンション:Type R系ダブルアクシス構造──
路面のギャップを吸収しながらも、ステアリングインフォメーションは鮮明に伝えてくる。
コーナーでは野生、直線では理性。
その“切り替えの美学”が、走りを音楽に変えていく。 - ボディサイズ:全長4520mm × 全幅1880mm × 全高1355mm(予想)──
ワイド&ローなその佇まいは、ただのクーペじゃない。
停まっている姿さえ、「これから何かが始まる」と思わせる造形。
走り出す前から、もう物語は始まっている。
数字が示すのは、スペックの“入口”にすぎない。
その奥にある「操るという行為の奥深さ」に気づけるかどうか──そこが、
このクルマと“対話”できるかどうかの分かれ道なんだ。
プレリュードのスペックは、
速さでも派手さでもなく、「走るということに、どこまで向き合えるか?」を問うてくる。
その問いに、あなたはどう答えるだろう。
新型プレリュードの発売日は?国内・海外展開の時期
発売日、それは“走り出す心”のスイッチだ
カレンダーに印をつけたのなんて、いつ以来だろう。
社会人になってからは、予定なんて「こなすもの」だったのに。
でも今は違う。その日が来るのが、ただ嬉しい。
まるで、待ち合わせの場所へ向かう前夜のように。
新型プレリュード──その発売は、2025年9月。
季節は秋。空気が澄み、夜風が肌に心地よくなる頃。
あの「前奏曲」が、静かに再び鳴りはじめる。
北米では2025年末、欧州は2026年前半。
世界が順番に、“あの頃の気持ち”をもう一度、手に入れていく。
きっとこれは、ただの販売スケジュールなんかじゃない。
一人ひとりの「再会の物語」が、いま動き出そうとしている。
その日が来るまで。
僕らはまた、頭の中であのカーブを描く。
あの音を思い出す。
走り出す前から、もう走り始めているのかもしれない。
まとめ:MTではない。でも、心を動かす“何か”はある
マニュアルじゃない。それでも、心は確かに動く。
マニュアルじゃない──その事実を、がっかりという言葉で片付けるのは簡単だ。
たしかに、あのギアノブの重み。
クラッチのつながる“あの感触”を、この新型プレリュードは持っていない。
でも、僕はこう思う。
MTを失っても、「走りたい」という想いまで失われたわけじゃない。
むしろ、ホンダはそれを別の形で蘇らせようとした。
Honda S+ Shift──疑似ではない。模倣でもない。
これは、“ドライバーの意志”を読み取り、
「操る」という行為に、再び意味を与えるテクノロジーだ。
e:HEV──エンジンとモーターという二つの心臓を、
ドライバーのひとつの意志で制御する新たなドライブフィール。
電気と爆発のリズムが、無言の語り合いを始める。
そして、低く構えたボディ。深く沈むシートポジション。
ワイドでローなフォルムが、ただそこに在るだけで気持ちが前傾姿勢になる。
これは、単なる移動手段じゃない。生き方の“選択肢”だ。
このクルマを、ただの“MTじゃないから”で拒むのは簡単だ。
でもそれは、「走る意味」を、ペダルの数でしか測れないということになる。
本当にそうだろうか?
2025年9月。
あの名が、再び街に響く。プレリュード──前奏曲。
かつて走ることで、自分と向き合えた人。
誰かの沈黙を、アクセルで受け止めた人。
自分の孤独を、エンジン音に乗せた人。
そんなあなたへ。
このプレリュードは、「あの頃の感情の続き」を走らせるために生まれてきた。
クラッチはなくてもいい。
大切なのは、もう一度、ステアリングに“意味”を感じられるかどうか。
きっとこのクルマは、
あなたが忘れかけていた“走る理由”を、
そっと差し出してくれる。
FAQ|気になる“あのこと”に答えます
- Q. 新型プレリュードはMT車ですか?
- A. いいえ、クラッチ付きのMTはありません。ですがHonda S+ Shiftが、“操る感覚”を新しい形で再現してくれます。
- Q. 価格はいくらぐらい?
- A. 国内では618万円前後と予想されています。
- Q. ボディサイズは大きいですか?
- A. 全長4520mm・全幅1880mmと、86よりややワイド。大人が似合う、贅沢なプロポーションです。
- Q. タイプR仕様はありますか?
- A. 今回の発表にタイプRの設定はありません。ただし、足まわりや骨格にはその血が流れています。
- Q. 発売はいつですか?
- A. 2025年9月、日本での発売が予定されています。
執筆:橘 譲二(たちばな・じょうじ)
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