スペーシアの燃費と維持費|25.1km/Lの条件とターボの費用差

住宅前に駐車したオフブルーのスペーシアHYBRID Gを参考にしたAI生成イメージ スズキ
スペーシアGの公式外観を参考にしたAI生成イメージ。

スペーシアの25.1km/Lは、指定のナビを装着しないHYBRID G・2WDのWLTCモード燃費だ。

シリーズ全車に当てはまる数字ではなく、グレード、駆動方式、メーカーオプションによって公表値は変わる。ターボの費用差も、燃料代だけでなく購入価格と必要な装備をそろえて考えることが大切になる。

この記事は、2026年10月7日に確認した日本向け現行仕様に基づく。実車の試乗、実燃費の計測、オーナー調査は行っておらず、公式情報と条件を置いた試算を分けて説明する。

掲載する車画像は、公式の実車外観を参考に制作したAI生成イメージです。実際の試乗写真ではなく、特定グレードの装備や細部、色の正確な確認にはメーカーの写真をご覧ください。

カタログの一番大きな数字は、よく目に入る。それでも、毎日乗るのは広告の数字ではなく、自分で選んだ仕様の一台だ。

僕は、必要な装備を決め、その車で走る距離を考えてから燃料代を計算したい。この順番なら、買った後の「思っていたのと違う」を減らしやすい。

スペーシアの25.1km/Lの対象と、オプションの注意点

25.1km/Lの対象は、HYBRID G・2WDのうち「全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機」を装着しない仕様だ。このメーカーオプションを装着したG・2WDは、23.9km/Lになる。

スズキの走行・環境性能の説明には対象条件が示され、価格・グレードページの主要諸元でも装着仕様の燃費値を確認できる。

「スペーシアを買えば25.1km/L」と受け取ると、最初の比較から条件がずれてしまう。見積書を見る際は、車名だけでなく、グレード、2WDか4WDか、メーカーオプションまで照合しよう。

グレード・駆動方式別のWLTCモード燃費

以下は現行日本仕様の公表値で、実際に走って測った燃費ではない。Gのナビ条件を除き、表には各グレードの基本となる値をまとめた。

車種・グレードと条件2WD4WD
スペーシア HYBRID G・指定ナビなし25.1km/L22.4km/L
スペーシア HYBRID G・指定ナビあり23.9km/L22.4km/L
スペーシア HYBRID X23.9km/L22.4km/L
スペーシア カスタム HYBRID GS23.9km/L22.4km/L
スペーシア カスタム HYBRID XS23.9km/L22.4km/L
スペーシア カスタム HYBRID XSターボ21.9km/L19.8km/L
スペーシア ギア HYBRID XZ23.9km/L22.4km/L
スペーシア ギア HYBRID XZターボ21.9km/L19.8km/L

標準車とカスタムはスペーシアの公式諸元、ギアはスペーシア ギアの公式諸元に基づく。

この表から分かるのは、外観の違う車でも燃費の公表値が同じ組み合わせがあることだ。たとえばX・2WDとギアXZ・2WDは、ともに23.9km/Lなので、燃費の数字だけでは両者の使いやすさまで決められない。

一方、4WDを選ぶ人が2WDの値で家計を計算すると、見通しが甘くなる。必要な駆動方式を先に決め、その列の数字を使うのが基本になる。

市街地・郊外・高速道路の数字も見る

HYBRID G・2WDには、走行場面別の試験値も公表されている。通勤が中心なのか、信号の少ない道を長く走るのかによって、注目する項目が変わる。

HYBRID G・2WDの条件WLTC総合市街地郊外高速道路
指定ナビなし25.1km/L23.1km/L26.5km/L25.2km/L
指定ナビあり23.9km/L22.4km/L25.2km/L23.7km/L

これらもスズキの主要諸元に掲載された試験値だ。市街地の欄を見れば自宅周辺の実燃費が分かる、という意味ではない。

WLTCモードは、市街地、郊外、高速道路の走行モードを一定の使用時間配分で構成している。自分の走行割合が違えば、総合値との関係も変わるため、各モードの数字を単純平均して独自の「実燃費」を作ることは避けたい。

ナビを外すかは、燃費差だけでは決めない

指定のナビ・通信機のメーカーオプション価格は195,800円で、消費税込み。スズキは注文時に選ぶ装備と案内しているため、必要かどうかは契約前に決めたい。公式の価格・オプション案内

ただし、Gの燃費値の違いだけを見て、「ナビの電力消費によって燃費が悪くなる」と原因を断定することはできない。ここで確認できるのは、公表された仕様ごとの燃費値が異なるという事実だ。

駐車時の確認を助けるカメラやナビを必要と感じるなら、購入費と燃料費の両方を見たうえで判断すればよい。燃料代を最小にする仕様が、必ずしも毎日使いやすい仕様とは限らない。


HYBRID G2WDのWLTCは全方位ナビのメーカーオプションなし25.1km/L、装着時23.9km/Lという条件比較
スズキ公式諸元によるG・2WDの仕様条件。燃料代は年1万km・180円/Lを仮定した計算で、実燃費ではありません。

スペーシアのハイブリッドは、エンジンを補助する仕組み

スペーシアシリーズが採用するのは、減速時に回収したエネルギーで発電し、蓄えた電力を加速時のエンジン補助に使うマイルドハイブリッドだ。スズキのシステム解説でも、この役割が説明されている。

HYBRIDという文字だけで、別の車種のハイブリッドと同じ走り方や燃費になるとは考えない方がよい。車の重さ、エンジン、モーターの役割、制御、利用条件が違うからだ。

特に、「ハイブリッドなら短距離の買い物でも必ずカタログ値が出る」という受け取り方は避けたい。公式にも、気象や渋滞、運転方法、エアコンの使用などによって燃料消費率が異なると説明されている。

自然吸気とターボでは、エンジンの性格も異なる

自然吸気は、ここではターボを搭載しないエンジンを指し、以下ではNAとも表記する。公式諸元上のエンジン性能は、次のとおりだ。

エンジン最高出力最大トルク
自然吸気・NA49PS/6,500rpm58N・m/5,000rpm
ターボ64PS/6,000rpm98N・m/3,000rpm

数値はスズキの主要諸元に基づく。最高出力と最大トルクはそれぞれ別の回転数での最大値であり、ターボとNAの最大トルクも同じ回転数で比較した数値ではない。

また、NAとターボではエンジン型式も異なる。エンジンとモーターの最大値を単純に足して、車全体の最高出力として扱うこともできない。

この違いは、ターボを試乗候補に入れる理由にはなる。しかし、数字だけで「NAは坂道を走れない」「ターボなら誰でも快適」と決めつける材料ではない。

僕なら、普段の乗車人数、荷物、坂道や合流の頻度を先に整理する。性能表は、その暮らしで確かめたいことを見つけるために使いたい。

ターボもレギュラーガソリンを使う

現行日本仕様では、NA、ターボともに使用燃料は無鉛レギュラーガソリンで、燃料タンク容量は27Lだ。公式諸元の使用燃料・タンク容量

したがって、この記事のターボ比較ではガソリン単価を同じにする。「ターボだからハイオク代が加わる」という前提で計算する必要はない。

一方、タンク容量にカタログ燃費を掛けた数字を、そのまま給油せず走れる距離として計画に使うのは避けたい。燃料の残量と実際の消費を見て、余裕のある給油計画を立てる方が現実的だ。


年間1万kmの燃料代を計算する

年間10,000km、レギュラーガソリン180円/L、燃費がカタログ値どおりという仮定では、23.9km/Lの仕様が約75,314円、21.9km/Lのターボが約82,192円になる。

180円/Lは説明用の仮定であり、2026年10月7日の市場価格を調査した結果ではない。 次の計算は、仕様の違いを同じ条件で比べるための試算だ。

計算式は、年間走行距離 ÷ 燃費 × ガソリン単価。自分の予算を作るときは、走行距離と単価を実際の条件へ置き換えてほしい。

年間5,000〜20,000kmでは、いくら変わる?

表の各金額は、途中で丸めずに計算し、最後に1円単位で四捨五入した。すべて年間の燃料代で、保険や駐車場代などは含まない。

計算に使う燃費年5,000km年10,000km年15,000km年20,000km
25.1km/L35,857円71,713円107,570円143,426円
23.9km/L37,657円75,314円112,971円150,628円
21.9km/L41,096円82,192円123,288円164,384円
22.4km/L40,179円80,357円120,536円160,714円
19.8km/L45,455円90,909円136,364円181,818円

25.1km/LはG・2WDの指定条件、23.9km/LはX・2WDやギアXZ・2WDなど、21.9km/Lはカスタムとギアのターボ・2WDに対応する。22.4km/LはNAの4WD、19.8km/Lはターボの4WDの比較に使える。

同じ燃費と単価なら、距離が半分になれば燃料代も半分、2倍になれば2倍になる。ただし、実際の走行距離が増えるときに道路環境も変わるなら、燃費まで同じとは限らない。

たとえば近所の買い物中心から長距離通勤に変わる場合は、距離だけを差し替えて終わらせず、通勤経路に合う燃費の記録を取り直したい。

Gの25.1km/Lと23.9km/Lの差は年間約3,601円

年10,000km・180円/Lの条件では、25.1km/Lと23.9km/Lの燃料費差は年間約3,601円になる。年5,000kmなら約1,800円、年20,000kmなら約7,201円だ。

差額も、丸める前の金額同士を引いてから四捨五入している。そのため、表に表示した整数を引いた結果と1円ずれる場合がある。

ここで比較しているのは、あくまで燃料費の差だ。Gで指定ナビを選ぶかどうかは、別にかかる195,800円の装備価格と、カメラやナビを使う価値を合わせて判断することになる。

僕は、この条件で年間数千円の燃料差が出るからといって、必要な装備を必ず外すべきだとは思わない。苦手な駐車を毎日繰り返す人と、装備を必要としない人では、同じ金額の受け止め方が違ってよい。

実燃費が15・18・21km/Lだった場合も試算する

購入前は、カタログ値で比較する表とは別に、家計に余裕が残るかを見る表を用意すると役に立つ。次は実測値やユーザー平均ではなく、燃費が変わった場合の影響を見るための仮定だ。

仮定した燃費年10,000km・180円/Lの燃料代月平均
15km/L120,000円10,000円
18km/L100,000円約8,333円
21km/L約85,714円約7,143円

この表を「スペーシアの実燃費は15〜21km/L」と読むことはできない。自分の燃費が想定より低かったときにも、予算が成り立つかを確かめるためのものだ。

ガソリン単価も変えたいなら、上の金額に「自分の想定単価 ÷ 180」を掛ければよい。燃料価格の見通しを断定するより、単価が変わっても対応できる計算表にしておく方が使いやすい。


自然吸気23.9km/Lとターボ21.9km/Lの年間燃料代を走行距離別に比較した図
カスタムXSとXSターボ、ギアXZとXZターボの2WDのWLTC値、180円/Lを仮定した試算。実燃費の実績ではありません。差は丸め前の値から計算。

自然吸気とターボは、同じ系列の中で比べる

ターボは、燃料節約で購入価格差を回収するための装備ではない。 現行のカタログ値を使った比較では、同じ系列・同じ駆動方式のNAより車両価格と燃料費の両方が増える。

その追加費用を、坂道や合流、多人数乗車など、自分が重視する場面のために払うかどうかが判断の中心になる。

カスタムは78,100円、ギアは84,700円の車両価格差

2026年10月7日に確認した日本向け新車の税込メーカー希望小売価格では、2WDの比較は次のとおりだ。

同じ系列の2WD比較NAの車両本体価格ターボの車両本体価格ターボの価格差
カスタム HYBRID XS → HYBRID XSターボ1,995,400円2,073,500円78,100円
ギア HYBRID XZ → HYBRID XZターボ1,952,500円2,037,200円84,700円

価格はスペーシア カスタムの公式価格とスペーシア ギアの公式価格に基づく。有料色、メーカーオプション、用品、保険、消費税以外の税金、届出諸費用、リサイクル料金は別で、販売店の実際の支払総額とは区別している。

標準車のGとカスタムXSターボをいきなり比べると、外観や快適装備の差まで混ざる。まずカスタム同士、ギア同士で候補をそろえると、ターボを選ぶ費用が見えやすくなる。

ただし、同じ系列でも全装備が完全に同じとは限らない。最後は見積書で色、ナビ、用品などの条件を合わせ、不要な追加装備が片方だけに含まれていないか確認したい。

5年間では、購入価格と燃料代の差を合わせていくら?

NA・2WDの23.9km/Lとターボ・2WDの21.9km/Lを使い、年10,000km・180円/Lで計算すると、燃料費差は年間約6,878円。5年間では約34,390円になる。

これは5年間で50,000km走り、ガソリン単価と比較に使う燃費が変わらないと仮定した計算だ。年間の丸め値を積み上げず、50,000km分を計算した後で四捨五入している。

比較購入時の車両価格差5年間の燃料費差2項目の合計差
カスタムXS → XSターボ・2WD78,100円約34,390円約112,490円
ギアXZ → XZターボ・2WD84,700円約34,390円約119,090円

この合計は、5年間の総保有費用の差ではない。 税、保険、整備、用品、ローンの利息、売却額などの違いは含めていない。

ターボの追加費用を考えるなら、まずこの約11万〜12万円という条件付きの差を見て、自分が必要とする場面と照らし合わせたい。「燃費が悪いか」だけでは、購入後の納得感まで判断できないからだ。

ターボを選ぶ購入価格差と5年燃料差の合計はカスタム112490円、ギア119090円という条件付き試算
2WD・年1万km・180円/L・WLTC23.9/21.9km/Lを5年間固定した仮定。税・保険・整備・売却額などの差は含めません。

4WDの比較には、4WDの燃費を使う

年10,000km・180円/Lの仮定では、NAの23.9km/Lと22.4km/Lの燃料費差は年間約5,043円。ターボの21.9km/Lと19.8km/Lの差は年間約8,717円になる。

これは2WDと4WDの燃料費だけの差で、車両価格差は別だ。必要な地域・道路条件があるなら、燃料代の小ささだけで駆動方式を決めず、販売店で使い方を具体的に相談したい。

また、ターボを選ぶか、4WDを選ぶかは別の検討項目になる。「冬に使うからターボも必須」と一括りにせず、駆動方式、エンジン、冬用タイヤの予算をそれぞれ確認しよう。

GとXの差には、毎日の装備が含まれる

G・2WDの車両本体価格は1,530,100円、X・2WDは1,705,000円で、差は174,900円だ。一方、ナビなしGの25.1km/LとXの23.9km/Lを使った燃料費差は、先ほどの条件で年間約3,601円になる。公式の価格・装備比較

この差を見て、単に「Gの方が安いから正解」とは言い切れない。Gには電動スライドドアがなく、Xには両側のワンアクションパワースライドドアが標準装備される。

Xには、Gにはないスリムサーキュレーターやマルチユースフラップもある。スリムサーキュレーターは空気を循環させる装備で、後席に独立したエアコンが増えるわけではない。スズキの快適装備の説明

さらに、Xの電動パーキングブレーキやブレーキホールド、停止保持機能付きACC、車線維持支援機能は、66,000円のセーフティプラスパッケージを選ぶ条件だ。通常のXにすべて標準装備されると考えて、購入予算から落とさないようにしたい。パッケージの公式案内

これらは運転を支援する装備であり、自動運転ではない。欲しい装備を先に決めてから燃費を比較する、という順序がここでも効いてくる。

生活別に、候補を変える条件を決める

次の3例は、選び方を説明するための架空の家庭だ。実際の相談事例や試乗結果ではない。

  • 近距離の買い物中心で、主に大人1〜2人が使う家庭:まずNAを候補にし、手動スライドドアで不便がないか確認する。後席への乗せ降ろしや荷物を持った乗降が増えるなら、燃費差より両側電動スライドドアの必要性を再検討する。
  • 家族4人と荷物で、坂道や高速道路を使う機会が多い家庭:同じ系列のNAとターボを試乗候補にする。普段に近い条件を販売店と相談し、加速時の操作量、音、合流時の扱いやすさを確かめ、差を感じなければNAへ戻す余地も残す。
  • 冬季の利用条件から4WDを検討する家庭:最初から4WDの車両価格と燃費で予算を組む。冬用タイヤ、交換、保管の費用も確認し、外観や燃費値だけで必要性を決めない。

試乗は無理な加速を試す場ではない。販売店に普段の使い方を伝え、安全に確認できる範囲で、買った後の生活に近い判断材料を集めたい。


秋の湖畔に駐車したベージュとガンメタのスペーシアギアXZを参考にしたAI生成イメージ
ギアXZの公式外観を参考にしたAI生成イメージ。実車撮影ではなく、装備の細部と色はメーカー写真で確認してください。

燃費が悪いと感じたときに比べるもの

燃費が悪いと感じたら、最初に比較相手が自分と同じ仕様かを確認する。そのうえで、季節、短距離移動、渋滞、冷暖房、乗車人数や荷物の変化を整理しよう。

25.1km/LのG・2WDと、ターボ・4WDの一回の給油結果を比べても、原因の整理にはつながりにくい。まず自分の車のグレード、駆動方式、装備条件を明らかにすることが先だ。

スズキも、燃料消費率は試験条件での値であり、使用環境や運転方法で変わると説明している。燃費値についての公式説明

一回の数字より、条件をそろえた記録を見る

燃費を記録するときは、数字に短いメモを添えると変化を読みやすい。「買い物の短距離が多かった」「渋滞が続いた」「冷暖房をよく使った」といった情報で十分だ。

毎回詳しい日報を書く必要はないが、何も記録がないと、道路環境の違いと車の状態の変化を切り分けにくい。数字だけを並べて、自分の運転が悪い、車が故障したと結論づけるのは早い。

また、燃費を伸ばすために必要な冷暖房まで我慢するのは、僕が勧めたい使い方ではない。快適に使った条件も含めて、自分の生活で必要になる燃料代を把握したい。

満タン法は、距離と給油量の対応をそろえる

満タン法の基本は、満タンにした時点から次の満タンまでに走った距離を、その次の給油で入った量で割ることだ。最初の満タン給油量を、これから走る区間の消費量として割り当てないようにしたい。

記録の手順は次のようになる。

  • 最初に満タンにし、その時点の走行距離を記録するか、トリップメーターをリセットする。
  • 次の満タン給油で、そこまでの走行距離と、そのときの給油量を記録する。
  • 「区間の走行距離 ÷ 区間終了時の給油量」で燃費を求める。
  • 複数区間をまとめるときは、「走行距離の合計 ÷ 対応する給油量の合計」で計算する。

給油の止まり方などによる誤差もあるので、一回だけの結果を細かく評価しすぎないことも大切だ。給油は取扱説明書に従い、測定のために無理な継ぎ足しをしないようにしたい。

複数回の燃費を、単純平均しない

次は計算方法を示す架空の記録であり、スペーシアで測った実績ではない。

区間前回満タンからの走行距離区間終了時の給油量区間の燃費
1回目300km20L15.0km/L
2回目420km21L20.0km/L
合計720km41L約17.56km/L

全体の燃費は「720 ÷ 41」で求める。15.0と20.0を足して2で割る単純平均の17.5km/Lとは計算が異なる。

各区間で使った燃料の量が違うため、給油回数を同じ重さで平均すると、全体の消費を正しく表せない。なお、41Lは2回分の合計で、一度に給油した量ではない。

車載の平均燃費表示と満タン法を比較するときも、集計を始めた時点をそろえたい。片方が数か月分、もう片方が一回の給油分では、数字が違っても不思議ではない。

運転や使用環境が変わっていないのに大きな低下が続く、警告表示が出る、走行に不調がある場合は、販売店や整備工場に相談しよう。燃費の数字だけで故障箇所や部品交換の必要性を自己判断しないことだ。


維持費は、保険・駐車場・整備も含める

燃料代が年間7〜8万円という試算になっても、それが年間維持費の総額ではない。任意保険、駐車場、税、自賠責保険、点検や車検、タイヤなどを別に見込む必要がある。

特に購入前は、新車を買うための支出、持ち続けるための年間費用、数年ごとの支出を分けると整理しやすい。車両本体価格と維持費を一つの数字に詰め込むと、いつ現金が必要なのかが見えにくくなる。

自分の条件に置き換える年間予算表

次は、年間10,000km、燃費18km/L、ガソリン180円/Lを仮定した架空の予算例だ。保険料や整備費なども説明用に置いた金額で、スペーシアの相場、販売店の見積額、実際の契約例ではない。

項目架空の年間予算自分の条件への置き換え方
燃料代100,000円年間距離・想定燃費・給油単価で計算
任意保険72,000円年齢条件、運転者の範囲、補償内容をそろえた見積額
駐車場96,000円仮に月8,000円。自宅利用なら実際の負担額
点検・車検の整備費の積立24,000円税・自賠責を除く整備見積額と支払時期から設定
通常タイヤ・消耗品の積立18,000円上の整備費に含まれない交換費用を計上
冬用タイヤ・交換・保管の積立12,000円必要な人だけ、購入周期と見積額に合わせる
上記6項目の小計322,000円税・自賠責などの未計上項目は別
税金自分の実額を記入対象車の見積書・通知などで確認
自賠責保険など自分の実額を記入契約期間と支払額を確認して整理

この例の322,000円は、年間維持費の完成額ではない。税や自賠責、想定外の修理などを加える前の小計であり、ローン返済や高速道路料金、出先の駐車料金も含めていない。

また、整備パックや車検見積書に含まれる項目を、別の行でも足してしまうと二重計上になる。見積書を見ながら「この行には何を含めたか」を短く書いておくと、後から修正しやすい。

積立額と、実際に支払う年を分ける

車検やタイヤの費用を年単位に分けて積み立てても、実際の請求が毎年同額になるわけではない。購入直後から支払予定を並べ、まとまった出費が重なる年に備えたい。

冬用タイヤも、本体代だけでなく、ホイールの要否、交換、保管をどうするかで予算が変わる。使わない家庭まで一律に同じ金額を入れる必要はない。

任意保険は、車種だけで決まる費用として扱えない。夫婦や家族の誰が運転するのか、車両保険を付けるのかなど、契約条件をそろえて比較することが必要になる。

燃費の差より大きく動く支出もある

先ほどの架空の予算で、実燃費の仮定を18km/Lから15km/Lへ変えると、燃料代は年間20,000円増える。ほかの条件が同じなら、小計も322,000円から342,000円へ変わる。

一方、仮に月8,000円としていた駐車場代が不要になれば、小計は年間96,000円減る。これは駐車場の相場を示すものではなく、家庭ごとの条件が維持費を大きく変える例だ。

僕が重視したいのは、カタログ燃費の差を細かく比べる前に、こうした大きな支出の条件を埋めることだ。ターボの年間約6,878円という燃料費差も、家計全体の中に置いて初めて判断しやすくなる。

買い替えは、節約額と支払時期を一緒に考える

今の車より燃料代が下がっても、それだけで買い替え費用を回収できるとは限らない。修理して使い続ける費用、次の車の支払総額、今の車を手放したときの受取額を並べたい。

まず、次の車の見積書から必要な現金と支払期限を確認する。そのうえで、現在の車の売却代金がいつ入るか、ローンが残っているなら精算にいくら必要かを整理しよう。

維持費比較と資金繰りはつながっているが、同じものではない。5年間の支出が抑えられる見込みでも、購入時の支払いに必要なお金を準備できなければ、その計画は動かしにくい。

納車が遅れた場合も考えておきたい。今の車の車検、保険、修理、売却予定が重なるなら、引き渡し時期を固定する前に、販売店と買取先それぞれへ条件を確かめよう。

現在の車を先に手放すか、次の車が来てから売るかという整理は、購入と売却の順番でも扱っている。代車や一時的な移動費が必要かどうかも、比較表に入れておくと見落としを減らせる。

僕の考察:燃費は、必要な装備を選んだ後の納得材料になる

スペーシアの燃費比較で大事なのは、25.1km/Lという数字を見つけることだけではない。その数字が自分の買う仕様に当てはまるかを確かめ、生活の費用へ変換することだと僕は考える。

Gの価格と燃費には分かりやすい魅力がある。一方で、家族の送迎で両側電動スライドドアを毎日使う人にとっては、Xに増える装備の方が選択の理由になるだろう。

ターボも同じだ。燃料を節約するためではなく、自分が使う場面での動力性能に価値を感じるなら、追加費用を理解したうえで選べばよい。

逆に、試乗でNAが使い方に合うと確かめられたなら、購入費を抑え、その余裕を必要な保険や整備に回す選択にも納得できる。どちらかを一律に正解にしない方が、車選びは暮らしに近づく。

グレードや装備の組み合わせは、スペーシア・カスタム・ギアの選び方で詳しく扱っている。色や装備を含む候補を絞り、その仕様の燃費で年間予算を作る流れがおすすめだ。

スペーシアの25.1km/Lは、指定ナビなしのG・2WDの値。ターボ・2WDの追加負担は、年10,000km・180円/Lの仮定で燃料代が年間約6,878円増え、購入価格差を加えた5年間ではカスタムが約112,490円、ギアが約119,090円になる。

そこに自分の保険、駐車場、整備などの費用を重ねれば、維持できるかどうかが具体的になる。燃費のよい車を探す時間を、無理なく付き合える一台を選ぶ時間へつなげたい。


よくある質問

スペーシアは、どのグレードでも25.1km/Lですか?

いいえ。25.1km/Lは、指定の全方位モニター付ナビ・通信機を装着しないHYBRID G・2WDのWLTCモード燃費です。

同オプションを装着したG・2WDは23.9km/Lで、ほかのグレードや4WDにもそれぞれ別の値があります。購入する仕様は公式の主要諸元で確認してください。

スペーシアのターボは、燃料代が年間いくら高くなりますか?

NA・2WDの23.9km/Lとターボ・2WDの21.9km/Lを、年間10,000km・ガソリン180円/Lで比較した仮定では、年間約6,878円高くなります。

実際の差は走行距離、給油単価、実燃費で変わります。また、購入時にはカスタムXS同士で78,100円、ギアXZ同士で84,700円の車両価格差が別にあります。

スペーシアの年間維持費は、燃料代だけで判断できますか?

判断できません。燃料代に加え、任意保険、駐車場、税、自賠責、点検・車検、タイヤなどを、自分の契約と使用条件で計上する必要があります。

本文の予算表は架空例なので、保険の見積額、駐車場の契約額、整備の支払予定へ置き換えて使ってください。購入費やローン返済は、維持費とは別に整理すると支出を追いやすくなります。


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