2026-05

輸入車

アバルト595、サソリのバッジが伝えてくる小さな抵抗──1963年から続く2026年の遺産

日曜の朝、近所の駐車場の片隅で、赤い小さなカブリオレがソフトトップを開けたところだった。運転席にいたのは、20代の頃にEK9シビックType Rで深夜の峠を流していた友人だ。結婚し、子どもが生まれ、ミニバンを買い、いったん車から離れたように...
日産

スカイライン400R 中古、いま狙う一台。VR30DDTTと『最後のV6ツインターボセダン』

あの日、走り屋仲間の一人が、BNR32 GT-Rの鍵を中古車店の机に置いた。20代で憧れ、30代で実際に手に入れた青いR32は、彼にとって特別な一台だった。だが、子どもが二人になり、平日の動線が一台で完結しなくなった40代半ば、彼が選び直し...
日産

【ノートニスモ S】5MTで遊べるコンパクトNISMOの、いまも色褪せない理由

朝、スマホに一枚の写真が届いた。送り主は、20代の頃にS14シルビアで深夜の峠を流していた仲間のひとりだ。結婚し、子どもが生まれてから、彼は車から距離を置いた。ミニバンを買い、SUVを買い、ハンドルを家族に明け渡したように見えた。──だが、...
トヨタ

マークX 中古は、なぜ値が下がらない。130系後期と、GRMNと、いまの相場

2019年12月23日。愛知県豊田市、元町工場の朝。あの日、生産ラインを静かに離れていった一台のマークXを、ニュース映像で見たのを覚えている。ガレージの匂いの中で、ベテラン整備士が、ボンネットを軽く撫でた。その手の動きが、一秒だけ止まった。...
ダイハツ

コペンが消える夏──L880KからLA400K、軽オープンが灯した24年の光

2002年初夏、街角の信号待ちでのことだった。前にぽつんと止まっていた、銀色の小さな車。屋根が、ゆっくりと、後ろに折りたたまれていく。約20秒。ドライバーは、まったく急いでいなかった。曇りはじめた朝の光が、その車内に少しずつ流れ込んでいくの...
トヨタ

レクサスIS F、5.0L V8の遺産──IS F SPORTとの違いと、中古市場のいま

富士スピードウェイの、ある秋の早朝のことだった。霧が薄く流れるパドックに、IS Fが並んでいた。何台あっただろう。数えたわけではないが、おそらく百台に近い、レクサスのFモデルが、開けたばかりのコースを前に静かに整列していた。エンジン始動の合...
トヨタ

ランドクルーザーという名の巡洋艦──70から300、その先に咲くFJの物語

東海地方の、ある駐車場でのことだった。昼下がりのオーナーズミーティング。並んだ三台のランドクルーザーを、ひとりの男が静かに見つめていた。隣には、彼の父親。そして、もう一段背の高い、彼の息子。古い60系。中期の80系。そして去年納車されたばか...
スズキ

アルトワークス完全ガイド ― 初代HA21SからHA36Sまで、35年の系譜と2026年中古市場のリアル

20代の頃、奈良の山道を夜中に流していたことがある。当時の僕はS14シルビアに乗っていた。給料の半分以上をクルマに注ぎ込んで、週末になれば峠に出かけていた。あの夜も、いつもの帰り道。霧が流れる山の中腹で、ヘッドライトの先にふいに2つの小さな...
スバル

フォレスター全史と新型SL型試乗記──「やめとけ」と言われても、僕がこの森を選ぶ理由

20代の終わり、長野の山中で霧雨が降っていた夜のことを、僕はよく思い出す。シルビアのリアウィンドウに、細かい水滴が散る。タコメーターの針は4500rpmを刺したまま、コーナーをひとつ抜けたばかりだった。──そのとき、ヘッドライトの先に、一台...
マツダ

マツダスピードアクセラ(BK3P)の圧倒的馬力とエアロが語る、「優等生」になれなかった名車の真実とスペック

マツダスピードアクセラ──その名を口にした瞬間、君の鼻先をかすめたのは、かすかに焼けたオイルとハイオクガソリンの匂いではなかったか。休日のショッピングモール。家族を乗せたハイブリッドモーターが、無音で駐車場を滑っていく。最新のタッチパネル式...