フィットRSの歴代比較|GE8・GK5のMTと現行e:HEV、選び方の違い

2013年のホンダ・フィットRS GK5を公式実車画像に基づいて描いたAI生成イメージ ホンダ
公式の実車画像を参考に制作したAI生成イメージ

フィットRSを探すなら、まずMTに乗りたいのか、現行e:HEVの走りと実用性を選びたいのかを分けたい。GE8には5MTと後期の6MT、GK5には6MTがあり、現在の4代目RSはMTではない。同じRSという名前でも、運転の仕組みは世代によって違う。

僕がこの系譜に惹かれるのは、日常の荷物を積める小さな車の中に、運転を楽しむ余地を残してきたことだ。生活を支える道具と、運転席に座る楽しさを一台で考えられる。本稿は2026年9月29日までに確認したHonda公式資料を整理したもので、筆者の所有・試乗体験や、販売店への独自取材に基づく記事ではない。

アイキャッチは、公式の実車画像を参考に制作したAI生成イメージです。実際の試乗写真ではなく、細部や色の正確な確認にはメーカーの写真をご覧ください。

フィットRSの世代と変速機を整理

主な時期世代・仕様MTを選ぶ場合の要点
2007年登場2代目・GE8のガソリンRS発売時から5MTを設定
2010年改良2代目・GE8の後期RS6MTを採用
2012年追加2代目・ハイブリッドRSIMA方式。6MTとCVTを設定
2013年登場3代目・GK5のRS6MTとCVTを設定
2022年追加4代目のRSe:HEVとガソリン。MT設定なし
2026年7月改良後現行e:HEV RSe:HEV専用・FF。MT設定なし

発売当初のGE8については、2007年の公式発表の価格表に5MTが記載されている。「2009年になって初めてMTが加わった」という説明は正しくない。また、GE8後期の6MTを飛ばして、すべてのGE8を5MTと説明するのも不正確だ。

年式だけで絞り切れない中古車では、型式、変速機、初度登録、装備を車両ごとに確認しよう。写真にシフトレバーが写っていても、商品情報と一致しているかは別に確かめたい。

GE8のRS:5MTから6MTへ変わった

2007年に登場した2代目のRSは、1.5L SOHC i-VTECを使うスポーティーな仕様だった。RSという呼称はRoad Sailingに由来する。発売時のラインアップにはFFのCVTと5MT、4WDの5ATがあり、「最初はCVTだけだった」とは言えない。

2010年の改良発表では、RSの外観や走りを見直し、6MTを採用した。当時のプレス資料では、従来の5MTに対するギア比やシフト操作の変更も説明されている。

同じGE8でも、この前後で選びたい理由が変わる。5MTという構成や前期の姿を好むのか、後期6MTの仕様を探すのか。僕なら、ただ「古いほうが軽快」「新しいほうが上」と決めず、年式と整備状態をそろえて比較する。

長く使われた車では、改造部品の有無も大事になる。車高調やマフラーが付いていること自体で良し悪しは決められないが、取付時期、純正部品の有無、車検への適合、日常で許容できる音や乗り心地は確認しておきたい。

ハイブリッドのRSは、2022年が初めてではない

2012年5月の公式発表では、1.5LエンジンとIMAを組み合わせたハイブリッドRSが追加された。6MTとCVTがあり、現在のe:HEVとは違う構成だ。

この存在を知ると、「ハイブリッドだからMTはない」というまとめ方もできないことが分かる。一方、当時のIMA車と現行e:HEVを、同じハイブリッドRSという名前だけで燃費や維持費まで同一視するのも避けたい。

中古で検討するなら、ガソリン車の状態確認に加えて、ハイブリッド関連の点検履歴や保証範囲も販売店へ確認する。年式の古い電動車だから一律に故障する、あるいは問題ない、といった断定では個体の判断に役立たない。

GK5のRS:1.5L直噴と6MTを選べる3代目

2013年の公式発表で、3代目RSは1.5L直噴DOHC i-VTECと6MT、またはCVTの組み合わせになった。当時の価格表には両方の仕様があるため、GK5を「MT専用モデル」とは説明できない。

エンジンはL15B型で、当時の主要諸元では最高出力132PS、最大トルク155N・m。型式や仕様ごとの重量・燃費も同じ資料から確認できる。歴代の数字を比べるときは、CVTとMTの数値を混ぜないようにしたい。

僕がGK5に感じる魅力は、自然吸気の1.5Lと手動変速を、実用的な5ドアで選べる構成にある。これは設計と仕様への見解であって、実際に峠で走らせた記録ではない。欲しいのがMT操作なら、その目的を曖昧にせず候補へ残してよいと思う。

購入前の試乗ができるなら、冷間時と暖機後の変速の入り方、クラッチのつながり、異音、直進時の落ち着きを確認したい。気になる症状があれば「RSだからこんなもの」と片付けず、整備担当者に説明と点検を求めよう。

現行e:HEV RS:減速セレクターはMTとは違う

4代目では2022年の改良でRSが加わった。e:HEV RSにはアクセルを戻したときの減速力を4段階で選ぶ減速セレクターと、NORMAL・SPORT・ECONのドライブモードを装備する。

ステアリング裏の操作部は、6MTの代わりに機械的な段数を選ぶものではない。自分でクラッチをつなぎギアを選びたい人と、電動駆動の中で減速や応答を調整したい人では、求める楽しさが違う。どちらかを偽物として扱う必要はない。

2026年7月の改良後のRSはe:HEV専用・FFで、メーカー希望小売価格は2,899,600円。消費税込みで有料色・諸費用等は別だ。Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0、ワイヤレス充電器、前席ヒーター、ステアリングヒーターなどが標準となった。

現行の主要諸元表ではモーター最高出力123PS、WLTC燃費27.6km/L。これは試験値であり実燃費ではない。モーターとエンジンの最高出力を単純に足して、システム出力だとする計算もしない。

中古RSを比べるなら、価格より先にそろえる条件

中古車の掲載価格は、年式、走行距離、修復歴、保証、整備、変速機で大きく変わる。この記事では同一条件の販売個体を集計していないため、「現在の相場は○万円」「低走行車はすぐ売れる」といった断定はしない。

比較表を自分で作るなら、型式と年式、MTかCVTか、支払総額、整備記録、修復歴、保証範囲、変更部品を並べる。MT車はクラッチ等の状態、古い個体はゴム部品や足まわり、エアコンなども確認したい。予算を全部車両価格へ使わず、購入後の整備分を残す考え方もある。

MTを生活の中で楽しみたいなら、GE8やGK5は今も検討する意味がある。日々の移動や支援装備まで含めて新車を選びたいなら、現行e:HEV RSが候補になる。どのRSが一番偉いかを決めるより、自分が毎日どんな操作をしたいかを選ぶ。その問いのほうが、この小さなホンダにはよく似合う。

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