輸入車

フォルクスワーゲンゴルフが“世界の基準”であり続けた理由

友人から、報告のメッセージが届いた。「長く乗ったミニバンを、そろそろ買い替える」。子育てがひと段落して、毎日大人数を乗せる必要もなくなった。次は何にするのか、と僕は返した。その問いの裏で、僕は勝手に、彼の答えを決めつけていた。どうせまた、無...
輸入車

アウディTTが安い理由と、形に惚れて選ぶという正解

中古車情報サイトを見ながら、同じシルエットの前で指を止めていた。スペック表を開くより先に、一台に目を奪わた。低く構えた、丸い屋根。前から後ろまで、定規ではなくコンパスで描いたような曲線。アウディTT。スペックも、価格も、まだ何ひとつ見ていな...
ホンダ

N-ONE RS、軽で唯一の6速MTが教えてくれること

友人から、一通のメッセージが届いた。「長く乗ったクーペを手放した。次は軽にするよ」。子どもが生まれ、駐車場の事情も変わり、維持費とも相談した結果だという。賢明な選択だ。僕は心からそう思って、おめでとう、と返した。返したあとで、胸の奥がわずか...
輸入車

ボクスターが安い理由は、軽さだった。ポルシェを救った相棒

深夜の、誰も起きていない時間、僕はスマホの画面を、親指でゆっくりと送っていた。中古車情報サイト。憧れていた911の相場に、ため息をついて画面を閉じかけた、その指が、ふと止まる。ポルシェのエンブレム。総額、100万円台。車名のところには「ボク...
スバル

インプレッサWRX、あの青い四駆が背負った30年。丸目・涙目・鷹目の記憶

それは、まだ携帯がパカパカと折りたためた、20代の夏の夜のことだった。関西の山沿い──雨が上がったばかりのコンビニの駐車場で、僕は隣に滑り込んできた一台を見た。ソニック・ブルー・マイカ。低く構えた4ドアセダン、ボンネット中央のエアスクープ、...
輸入車

アバルト595、サソリのバッジが伝えてくる小さな抵抗──1963年から続く2026年の遺産

日曜の朝、近所の駐車場の片隅で、赤い小さなカブリオレがソフトトップを開けたところだった。運転席にいたのは、20代の頃にEK9シビックType Rで深夜の峠を流していた友人だ。結婚し、子どもが生まれ、ミニバンを買い、いったん車から離れたように...
日産

スカイライン400R 中古、いま狙う一台。VR30DDTTと『最後のV6ツインターボセダン』

あの日、走り屋仲間の一人が、BNR32 GT-Rの鍵を中古車店の机に置いた。20代で憧れ、30代で実際に手に入れた青いR32は、彼にとって特別な一台だった。だが、子どもが二人になり、平日の動線が一台で完結しなくなった40代半ば、彼が選び直し...
ホンダ

フィットRS、復活した『R/S』の系譜──GE8・GK5・e:HEV、コンパクト・ホンダの3つの顔

日曜の朝、近所の細い道を歩いていると、洗車したばかりのフィットの後ろから、低くて澄んだ排気音が漏れていた。運転席にいたのは、学生時代の走り屋仲間の一人だった。20代でAE111レビンに乗り、深夜の峠でテールランプを輝かせていた男が、いま40...
日産

【ノートニスモ S】5MTで遊べるコンパクトNISMOの、いまも色褪せない理由

朝、スマホに一枚の写真が届いた。送り主は、20代の頃にS14シルビアで深夜の峠を流していた仲間のひとりだ。結婚し、子どもが生まれてから、彼は車から距離を置いた。ミニバンを買い、SUVを買い、ハンドルを家族に明け渡したように見えた。──だが、...
トヨタ

マークX 中古は、なぜ値が下がらない。130系後期と、GRMNと、いまの相場

2019年12月23日。愛知県豊田市、元町工場の朝。あの日、生産ラインを静かに離れていった一台のマークXを、ニュース映像で見たのを覚えている。ガレージの匂いの中で、ベテラン整備士が、ボンネットを軽く撫でた。その手の動きが、一秒だけ止まった。...