ダイハツ

コペンが消える夏──L880KからLA400K、軽オープンが灯した24年の光

2002年初夏、街角の信号待ちでのことだった。前にぽつんと止まっていた、銀色の小さな車。屋根が、ゆっくりと、後ろに折りたたまれていく。約20秒。ドライバーは、まったく急いでいなかった。曇りはじめた朝の光が、その車内に少しずつ流れ込んでいくの...
トヨタ

レクサスIS F、5.0L V8の遺産──IS F SPORTとの違いと、中古市場のいま

富士スピードウェイの、ある秋の早朝のことだった。霧が薄く流れるパドックに、IS Fが並んでいた。何台あっただろう。数えたわけではないが、おそらく百台に近い、レクサスのFモデルが、開けたばかりのコースを前に静かに整列していた。エンジン始動の合...
トヨタ

ランドクルーザーという名の巡洋艦──70から300、その先に咲くFJの物語

東海地方の、ある駐車場でのことだった。昼下がりのオーナーズミーティング。並んだ三台のランドクルーザーを、ひとりの男が静かに見つめていた。隣には、彼の父親。そして、もう一段背の高い、彼の息子。古い60系。中期の80系。そして去年納車されたばか...
スズキ

アルトワークス完全ガイド ― 初代HA21SからHA36Sまで、35年の系譜と2026年中古市場のリアル

20代の頃、奈良の山道を夜中に流していたことがある。当時の僕はS14シルビアに乗っていた。給料の半分以上をクルマに注ぎ込んで、週末になれば峠に出かけていた。あの夜も、いつもの帰り道。霧が流れる山の中腹で、ヘッドライトの先にふいに2つの小さな...
スバル

フォレスター全史と新型SL型試乗記──「やめとけ」と言われても、僕がこの森を選ぶ理由

20代の終わり、長野の山中で霧雨が降っていた夜のことを、僕はよく思い出す。シルビアのリアウィンドウに、細かい水滴が散る。タコメーターの針は4500rpmを刺したまま、コーナーをひとつ抜けたばかりだった。──そのとき、ヘッドライトの先に、一台...
マツダ

マツダスピードアクセラ(BK3P)の圧倒的馬力とエアロが語る、「優等生」になれなかった名車の真実とスペック

マツダスピードアクセラ──その名を口にした瞬間、君の鼻先をかすめたのは、かすかに焼けたオイルとハイオクガソリンの匂いではなかったか。休日のショッピングモール。家族を乗せたハイブリッドモーターが、無音で駐車場を滑っていく。最新のタッチパネル式...
スバル

レガシィツーリングワゴンの真実。歴代BH5・BP5・BR9の中古相場や安い理由、燃費・サイズからMTカスタム、最終型の選び方まで【完全保存版】

レガシィツーリングワゴン。その名を口にするだけで、ステアリングを通して伝わってきた重厚な手応えと、地を這うようなボクサーサウンドが昨日のことのように蘇る。かつて僕らは、実用的なワゴンボディにスポーツカーの魂を詰め込んだスバルの傑作に、どうし...
トヨタ

【アルテッツァの中古選び】RS200のMTとエンジンの鼓動が呼び覚ます、大人たちの内なる闘争心

アルテッツァ。その四文字を口にするだけで、右足の奥に微かな痺れを感じる大人たちがいる。冷え切った朝。プラスチックの無機質な感触ではない、金属の重みを湛えたキーを、ステアリングコラムの無骨なシリンダーに挿し込む。手首をひねれば、セルモーターの...
ホンダ

本当はもう一度走りたい大人たちへ。ホンダビートの中古車相場、ヤフオク・メルカリでの部品探し、ハードトップやエアロの実状と後悔しないための全記録

遠くから、路面を引っ掻くような甲高いエキゾーストノートが鼓膜を打った。クォーン、と弾けるような澄んだ音。街角の交差点を、黄色い小さなオープンカーが軽やかに駆け抜けていく。ホンダ・ビート(PP1)だ。その姿を目にした途端、代わりに脳裏に蘇って...
日産

日産 180SX(ワンエイティ)という終わらない青春──。シルビアの兄弟車が魅せたドリフトの記憶と、今選ぶべき中古車の現実(タイプX・エンジン・馬力)

深夜2時。冷え切った峠のパーキングエリアに漂う、焦げたブレーキパッドと、微かなハイオクの匂い。そこに滑り込んでくる、地を這うような低いシルエット。なだらかなノーズに沈み込んでいたリトラクタブル・ヘッドライトが、闇を切り裂くように「パカッ」と...